「生前葬」とはその名の通り生きているうちに行う葬儀のことです。
いっけん矛盾しているように聞こえるこの葬儀の形式に対して下記のような疑問を抱く人もいると思います。
あなたが持っているであろう疑問
- 生きているうちに葬儀を行うってどういうこと?イメージがつかない
- 実際の葬儀の内容や流れはどんな感じなの?一般的な葬儀とどこが異なるの?
- どのような人があげるの?メリット・デメリットを把握したい
- どんなような葬儀社が生前葬を行なっているの?選ぶコツは?
お恥ずかしながら元葬儀人の私も、概要は把握していましたが詳細までいくとわからないこともありました。
周りのウェブサイトにも参考になりそうなものがなかったため、これを機に生前葬のことをとことん調べてみました。
調べてわかったのですが、実は下記のような有名人(グループ)も生前葬をあげております。
- ビートたけし
- 桑田佳祐
- テリー伊藤
- SMAP
実は私たちの意外に身近にある生前葬に関しまして、こちらの記事を読むことで下記のことがわかるようになります。
この記事からわかること
- 生前葬の正体(メリット・デメリット、相性の合う人等)
- 生前葬をあげる場合のコツ
- 生前葬のマナー
驚く内容が多いと思いますのでぜひ最後までご覧ください。
1.生前葬の概要
ここでは、生前葬の概要を解説します。
生前葬の意味や定義を示したうえで、生前葬の流れ、費用についてご紹介していきます。
1-1. 生前葬とは生きているうちに行うお葬式のこと
生前葬とは、死後ではなく、生きているうちに本人立ち会いのもとで行われるお葬式のことです。
生前葬は、まだそれほど主流となっている葬儀のあり方ではありません。
しかし、最近ではがんの本人告知が当たり前となり、介護や療養生活が長くなる傾向があります。
「生きているうちにお別れを」との希望が出てくることは、想像しがたいことではないでしょう。
死後の葬儀では、親族の代表者などが喪主となりますが、生前葬では、本人が主催者となります。
また、死後に葬儀を営むときには、火葬のみの直葬、親族のみの家族葬など、こぢんまりとした葬儀になることが多いでしょう。
なお、88歳の「米寿」や99歳の「白寿」など、長寿を祝う集まりがあります。
本人が生きている間に親族が集まり、感謝を述べ合ったり来し方を振り返ったりするという意味では、長寿の集まりも広い意味での生前葬といえるかもしれません。
以上のように、生前葬では、本人が生きているうちにこれまでの感謝を述べる機会が与えられます。
では、次に生前葬の実際の流れをみていきましょう。一般的なお葬式とは、少し違うところがあります。
1-2. 生前葬の具体的な流れは、まるで誕生会や結婚式
生前葬は、宗教的な儀式を行うことよりも、縁ある人との最後の集いを目的とする人がほとんどです。よって、無宗教葬がベースとなります。
無宗教葬としての生前葬の代表的な流れをみていきましょう。
- 開式の辞
- 自分史DVDの上映
- 友人スピーチ
- 演奏披露(親族や友人の生演奏など)
- 会食
- 本人挨拶
- 閉式の辞
これまでの写真をみんなで見て、友人や親族のスピーチがあって、美味しい食事を共にする。「お葬式というより、誕生会や結婚式だ」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
生前葬を無宗教葬として行った場合でも、逝去となったときに仏式で葬儀を営むことは可能です。
それでは次に、生前葬の具体的な費用についてみていきましょう。
1-3. 生前葬をするための費用は会場や演出によってさまざま
生前葬をするための費用に、一般的な相場を求めるのは難しいといえます。
それは、会場や演出面で様々な選択肢があり、ささやかにしたいと思えばとことんささやかに、盛大にしたいと思えばとことん派手な演出ができるためです。
しかし、さまざまなケースが考えられるからこそ「どのようにしたらよいかわからない。平均的な生前葬の費用を教えてほしい」という人はいることでしょう。
どのような生前葬がよいかわからない人のために、生前葬プランを設けている葬儀社があります。
生前葬の相場を知りたければ「葬儀レビ」をおすすめします。記入時間1分で複数の見積もりをもらうことができます。
葬儀社の打ち出す生前葬プランは、死後に行う一般的な葬儀よりも費用が控えめです。
なぜかといえば、遺体の移動や処置、火葬のための費用が丸ごとかからないからです。
本人は歩いて移動できますし、衛生処置の必要も、火葬の必要もありません。そのぶん、通常のお葬式よりも安くなります。
ここまで、一般葬の概要や流れ、費用について解説してきました。
次は、生前葬のメリットとデメリットを押さえ、生前葬と相性の良い人はどんな人かを浮き彫りにします。
2.どんな人におすすめ?生前葬のメリット・デメリット
こちらでは、生前葬のメリット・デメリットを紹介し、生前葬と相性の良い人を割り出します。
ではまずメリットをご紹介します。
生前葬の3つのメリット
- 生きているうちにみんなにお別れを言える
- 本人の思うがままに企画ができる
- 自分の葬儀でもらえるお香典をこれから生きていくために使える
ではそれぞれみていきましょう。
メリット1:生きているうちに、みんなにお別れを言える
生前葬なら、生きているうちに、みんなにお別れを言うことができます。
お世話になった人全員を一堂に集めて一人ひとりと今生の別れができる生前葬は、とくに療養中の身にとっては貴重な機会です。
メリット2:本人の思うがままに企画できる
生前葬なら、本人がプロデュースできるため、思い描く理想のお葬式を実現できます。
通常のお葬式なら、生前契約を結ばない以上はかなわないことです。
メリット3:自分の葬儀でいただくお香典をこれから生きていくために使える
お香典をいただく方式にするか、利益なしの会費制にするかは迷うところです。
しかし、もしお香典をいただく場合は、式費用を除いた残金をこれからの本人の生活のために使えます。
以上、生前葬のメリットをお伝えしました。
もちろんいいところばかりではありません。次に、生前葬のデメリットをご紹介します。
生前葬の2つのデメリット
- 会葬者が慣れておらず、戸惑いが生じがち
- 葬儀費用が2回かかる恐れがある
それぞれをみていきましょう。
デメリット1:会葬者が慣れておらず、戸惑いが生じがち
生前葬は、まだまだ経験者の少ない葬儀形態です。会葬者がイメージをつかめず、戸惑ってしまうことが考えられます。
会葬者が戸惑わず、生前葬の世界へスッと入っていけるかどうかは、企画者の腕次第です。本人のプロデュース力が試されているといえます。
デメリット2:葬儀費用が2回かかる恐れがある
逝去したときには、少なくとも火葬をする必要があります。
なお、寺院墓地にお墓があるなどの都合で、宗教に則った儀式をしなければならない人もいるでしょう。
すると、葬儀費用が2回かかることになります。
生前葬を営むときには、自身の逝去後の葬儀のことまで、トータルで予算を考えて企画するべきです。
以上、生前葬のメリットとデメリットを紹介しました。
次に、メリットとデメリットから考察して、生前葬と相性の良い人とはどのような人かを解説します。
生前葬と相性の良い人はこんな人
次のいずれかに当てはまる人は、生前葬を検討する余地があります。
- 誕生パーティーや忘年会などを企画するのが得意
- 親族や友人はノリよく付き合ってくれる人が多い
- 生きているうちにみんなに会ってお別れと感謝の気持ちを述べたい
一方で、次のいずれかに当てはまる人は、生前葬を営むのは難しいかもしれません。
- 親族や友人に昔ながらのしきたりや常識を意識しがちな人が多い
- 生きているうちにみんなにお別れを言いたいという強い気持ちが湧かない
- 生前葬を行うと、逝去後に自分を見送るための蓄えが十分あるとはいえない
ここまで、生前葬のメリットやデメリット、生前葬と相性の良い人についてみてきました。
あなたが一日葬をやるべきかどうか把握できたと思います。
続いては一日葬を行う際の葬儀社選びのコツをお伝えします。
3.生前葬における葬儀社選びのコツ
生前葬には「自分で執り行う方法」と「葬儀社に依頼して行う方法」の二つがあります。
割合としては「葬儀社に依頼して行う方法」の方が大きいため、こちらの記事ではその内容に関してお伝えさせて頂きます。
3-1.葬儀社によって一般葬の費用は大きく異なる
突然ですが元葬儀人として重要なことをお伝えします。
葬儀の準備において一番大切なのは「葬儀社選び」になります。
葬儀社選びによって満足いく葬儀をあげられるかが決まると断言できます。
そんな大切な葬儀社選びですが、全国には7,000以上の葬儀社が存在していると言われ、葬儀社ごとに特徴が大きく異なります。
中には悪質なものも含まれおり「質素な葬儀を希望したのに高額な料金を請求された」等の費用に関する相談が年間700件以上も国民生活センターに寄せられております。
なぜこのような問題が発生するのでしょうか?
理由としては、しっかりとした葬儀の相場という概念は存在せず、費用の全ては葬儀社の言い値で決まってしまうからです。
特に比較的新しい形式の生前葬では、執り行える葬儀社も少ないため価格競争が起きにくく、葬儀社ごとの費用の差額は大きいと言われます。
対処法としては紹介されたり、自分が知っているという理由だけで決定せず、複数の葬儀社を比較することをオススメします。
3-2.生前葬を選ぶ際は必ず複数の葬儀社を比較
葬儀社ごとの費用の差額が大きいと言われる一日葬ですが、全く同じ内容でも数十万円の差額が発生することがあります。
もちろん「安かろう悪かろう」の葬儀社もありますし、費用は高いけどサービスが素晴らしい葬儀社があります。
重要なことは複数の葬儀社を比較して、あなたの目で納得した選択を行うことです。
「葬儀レビ」であなたの要望にあった複数の葬儀社の見積りがもらえれるので是非試してみてください。
上記のような見積りを出す際に実際に利用してみましたが、しつこい営業もなく、記入時間も1分あれば足りるのでオススメできます。
では最後に生前葬に関わる際のマナーを紹介します。
4.生前葬を開く、参列する、参列しない立場でのマナー
生前葬には、通常のお葬式とは違うマナーがあります。
慣れない形式なので戸惑うかもしれませんが、最低でも以下のマナーについては守りたいものです。
ここでは、下記の3つの立場に分けて、生前葬のマナーをみていきましょう。
立場ごとに見るマナー
- 生前葬を開く立場のマナー
- 生前葬に参列する立場のマナー
- 生前葬に参列しない立場のマナー
ではそれぞれをみていきましょう。
生前葬を開く立場での4つのマナー
生前葬を開く上では、下記の4つを参列者のためにしっかり意識しましょう。
- 告知:これまでお世話になったこと、ついては生前葬を行いことを明確に書いて知らせます。1ヶ月前までには告知を出し、参加の諾否を記載して投函できる返信はがきをつけると親切です。
- お香典:香典を辞退する、会費制にするなど決めたらその旨を告知状に記載します。
- 服装:喪服でなくて構いません。自分の好きな服装を楽しめます。参列者が服装に迷うことのないよう、ドレスコードは必ず告知状に記しましょう。
- 対応:当日は、参列者が生前葬の雰囲気になじめるよう主導する義務があります。場が冷ややかなものにならないよう、盛り上げましょう。
生前葬に参列する場合の4つのマナー
生前葬に参列する立場では、以下の4つに気をつけましょう。
- お香典:告知状を確認し、通常のお香典を持って行けばよいのか、会費制か、お香典を辞退するのかを把握しましょう。
- 服装:告知状にはドレスコードが書いてあるはずです。当日の服装はドレスコードに順じましょう。
- 対応:生前葬にはなれていないという人が多いでしょうが、主催者側も初めての試みです。精一杯その場の雰囲気を味わい、積極的に参加する姿勢を見せ、主催者を助ける気持ちを持ちましょう。
- あいさつ:もう会えないかもしれない人の生前葬です。本人に一度は話しかけ、今までお世話になったことの感謝の気持ちを伝えましょう。
参列しない場合の3つのマナー
生前葬に参加しない場合は、以下の3つに気をつけましょう。
- 辞退の知らせ:生前葬に参加できないと知ったら、早めに主催者側に電話をかけ、欠席を詫びます。そのうえで、本人に今までの感謝を伝えましょう。
- 訪問:生前葬に参加できない場合は、できれば後日改めて本人の家を訪れたいものです。生前葬が終わったら、本人の予定を聞いて自宅や病院に顔を出しましょう。
- お香典:生前葬が会費制だった場合や、香典を辞退している場合は、訪問時にお香典を持参する必要はありません。
ここまで一日葬のマナーを立場ごとにみてきました。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
よく耳にする生前葬ですがところん調査して見るといろんなことがわかってきますね。
こちらの記事を通じて、あなたが生前葬をあげるべきか、あげる場合の葬儀社選びのコツがわかり、
あなたの葬儀の準備の少しでもお力になれたならば幸いです。