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昨今の葬儀の多様化により、宇宙葬という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ宇宙葬と聞いてもうまく想像できずに、下記のような疑問を抱く人もいると思います。
あなたが持っているであろう疑問
- 宇宙葬って一体何?どんなサービスなの?
- 宇宙葬の費用はどのくらい?一般人でも可能なの?
- 宇宙葬を選ぶ人ってどんな人?メリットやデメリットは?
正直なところ元葬儀人の私も、宇宙葬に対しては知識不足でございました。
またしっかりとまとまっているサイトがどこにもなかったので、これを機にとことん、そして、超真面目に調べてみました。
調べてみてわかったのですが、宇宙葬とはその名の通り宇宙で散骨する葬儀で、実はお金持ちでなくても実施できる身近な葬儀の形式だったりします。
この記事ではとことん超真面目に調べた内容をお伝えし、最後まで見るとあなたは下記のことがわかるようになります。
この記事からわかること
- 宇宙葬の正体(メリット・デメリット)
- 宇宙葬の費用とサービス提供をしている会社
- ロケット葬やバルーン葬、月面葬等の宇宙葬の種類
驚く内容もありますので、ぜひご覧くださいませ。
1.宇宙葬の概要
こちらでは、宇宙葬の概要について解説します。
宇宙葬の意味や定義、流れ、費用について知ることができます。
1-1. 宇宙葬とは遺灰を空へ飛ばしたり、宇宙へ打ち上げたりする形式
宇宙葬は、遺灰を空や宇宙へ還す弔い方です。宇宙葬には大きく分けて2種類あります。
- バルーン葬
- ロケット葬
です。
1つ目の、バルーン葬儀は遺灰を大きなバルーンに込めて大空へ飛ばす葬儀です。
「宇宙へは行かないのでは?」と思われるかもしれませんが、遺灰を込めたバルーンは成層圏まで届くため、宇宙葬の1つに数えられます。
もう1つは、遺灰をカプセルに込め、ロケットで宇宙へ打ち上げるロケット葬です。
またロケット葬にもただ打ち上げるだけのものや、人工衛星に遺骨カプセルを搭載するもの、月面に着陸させる「月面葬」などがあります。
1-2.宇宙葬はお墓を必要としない弔い方法
ロケット葬の場合、搭載できるのは遺灰のほんの一部ですが、残りの遺骨は海などへ散骨すれば、お墓は必要ありません。
お墓を必要としない弔い方には、他には遺灰を海や山に還す散骨や、遺骨を自宅で供養する手元供養などがあります。
宇宙葬は、そのなかでも比較的新しい弔い方です。「空への散骨」といわれることもあります。
次は、宇宙葬の実際の流れをみていきましょう。
1-3. 宇宙葬の具体的な流れ
ここでは、宇宙葬の具体的な流れをみていきます。宇宙葬には下記のように種類が2つあるので、それぞれの流れについて解説しましょう。
- バルーン葬
- ロケット葬
バルーン葬の流れ
バルーン葬を行う際の一連の流れは下記になります。
- 申し込み
- 当日、打ち上げる場所へ集合
- 打ち上げ
以上のように、バルーン葬の流れはとてもシンプルです。
遺灰を打ち上げるとき僧侶に読経をしてもらう、お別れの儀式を行う、遺灰を打ち上げた後に立ち会った親族が集まって会食をするなど、お好みでアレンジできます。
ロケット葬の流れ
ロケット葬を行う際の一連の流れは下記になります。
- 申し込み
- 遺骨もしくは遺灰を施行会社に預ける
- ロケットの打ち上げが報告される
ロケット葬を行う際、打ち上げ日に現地へ行き、見届けることは可能ですが、ほとんどがアメリカでの打ち上げとなります。
また、人工衛星に遺灰を搭載したなら軌道を、月面葬ならどの位置に置かれたかを問い合わせて確認できます。
宇宙葬の流れは、非常にシンプルであることがわかりました。
次に、宇宙葬の費用についてみていきましょう。
1-4. 宇宙葬で実際にかかる費用
宇宙葬には下記のように種類が2つあるので、それぞれの費用について解説しましょう。
- バルーン葬
- ロケット葬
まずはバルーン葬の費用をみていきましょう。
バルーン葬の費用
バルーン葬の費用は、およそ30万円程度です。
その内訳は、バルーンに遺灰を込めて打ち上げる費用と、バルーンに込めるために遺骨を粉末化する費用です。
その他には下記の費用も要望に応じてかかってきます。
- 交通費
- お布施代
- 会食費
場所をどこで行うのか?僧侶を呼ぶのか?会食は開くのか?等々は前もって話をしておきましょう。
次に、ロケット葬の費用をみていきましょう。
ロケット葬の費用
ロケット葬の費用は、人工衛星に載せるものであれば100万円程度、
月面へ遺灰を運ぶ月面葬であれば250万円程度が相場です。
単に宇宙へ打ち上げるだけのものであれば、20万円台でできる会社も出てきました。
※費用やサービスの詳細は第3章「宇宙葬を提供している会社一覧」に詳細を記載してますのでご参考にしてください。
日本でロケット葬を扱う会社は、ほとんどがアメリカの実施会社の代理店なので、為替相場が大幅に変動すれば、価格が上下する可能性があります。
ここまで、宇宙葬の概要や費用についてみてきました。
次は、宇宙葬の特徴を詳しく紹介し、どんなメリットやデメリットがあるか、宇宙葬と相性の良い人はどんな人かを解説していきます。
2. 大空へ憧れる人は注目!宇宙葬のメリット・デメリット
こちらでは、宇宙葬のメリットとデメリットを説明し、宇宙葬と相性のいい人について考えていきます。
まずはバルーン葬にもロケット葬にも言えるメリットをお伝えします。
宇宙葬の3つのメリット
- 「空を飛びたい」「宇宙へ行きたい」という願いを死後に叶えられる
- お墓を作る必要がないため費用が安くすむ
- どんな宗教でも対応してくれる
ではそれぞれを紹介します。
メリット1:「空を飛びたい」「宇宙へ行きたい」という願いを死後に叶えられる
宇宙飛行士や飛行機のパイロットなどに憧れを持っていた人は、少なくないでしょう。
また、パラグライダーが趣味だったなど、実際に大空を駆け巡っていた人もいることと思います。
宇宙葬は、死後も空を飛びたい、宇宙へ行ってみたいという願いを叶えることが可能です。
とくに宇宙旅行は、現代においてはまだなかなか実現していません。宇宙へ行けるのは、故人に等しく与えられた特権といえるでしょう。
メリット2:お墓を作る必要がないため安く済む
とくにロケット葬で遺灰を込めるためのカプセルは小さく、込められる遺灰はほんの少しです。
しかし、残りの遺骨を散骨とすれば、お墓は必要ないという考えもあります。
宇宙葬のなかでも一番お金がかかるのが、およそ250万円ほどかかる月面葬です。
かなり高価に見えますが、じつは、お墓を作らないとすれば割安感があります。
一般的な継承墓を買うとなると、都心部であれば300万円といった値段を見かけることも少なくありません。
それに加え、年間の管理費も必要になってきます。
お墓を作る代わりに宇宙葬を選ぶと考えれば、宇宙葬は割安感のある弔い方です。
お墓の相場を知りたい場合は下記記事もご覧ください。参考になると思います。
-
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メリット3:どんな宗教でも対応している
お墓を必要としないということは、宗教に縛られないということです。
寺院墓地を買うと檀家になる必要がある恐れがありますが、宇宙葬ならその心配は不要です。
ここまで、宇宙葬のメリットをみてきました。
お墓を作らない、宗教フリー、大空へ還って行ける。自由を感じる弔い方といえるでしょう。
次に、宇宙葬のデメリットをみていきましょう。
宇宙葬の3つのデメリット
- 日程を指定できない
- 残りの遺骨を散骨にすると、供養対象が残らない
- 親族の了解が得づらいかもしれない
ではそれぞれを見ていきましょう。
デメリット1:日にちを特定できない
バルーン葬は、予定日を設けることができますが、風の強い日や雨の日などには実施できない場合があります。
またロケット葬に関してはロケットの打ち上げ計画に任せることになるため、場合によっては予定が延期になる可能性もあります。
たくさんの親族に集まってもらうのは、不向きといえるかもしれません。
デメリット2:宇宙葬にし、残りは散骨すると、供養対象が残らない
宇宙葬を選び、かつ散骨すると決めたら、手元に遺骨が残らないことになります。
お盆やお彼岸のたびに「何に手を合わせたらよいだろうか?」と悩むことになりかねません。
月面葬なら月に祈る、人工衛星なら軌道を確認し、日本上空にさしかかるタイミングで祈るなど、祈りの方法を決めておく必要があります。
なお、遺骨が手元に残らないと不安という人には、手元供養をおすすめします。
デメリット3:親族の了解が得づらいかもしれない
宇宙葬は斬新な弔い方です。
昔ながらの価値観を持つ親族からは、反対されてしまう恐れがあります。お墓を作らないならなおさらです。
自分が宇宙葬を望んでいるなら、その旨を遺言なりで言い残しておきましょう。「故人の遺志」として尊重されます。
以上、宇宙葬のデメリットについて紹介しました。まだ誰もが慣れない弔い方のため、戸惑うことが多いかもしれません。
次は、メリットとデメリットを踏まえ、宇宙葬と相性のいい人について考えます。
宇宙葬と相性が良いのはどんな人?
次のうち、1つでもあてはまるなら、宇宙葬の検討もありかと思われます。
- 故人が、空が好きで、自由に飛び回ることに憧れていた
- 故人が、生前宇宙に憧れがあった
- お墓はいらない
- 宗教的な儀式は必要ない
一方で、次のうち1つでも当てはまるなら、宇宙葬をするのは少し難しいかもしれません。
- 特定の日程で行いたい
- 菩提寺があり、お墓がある
- 頭の固い親戚が多い
- 遺骨がないと供養している気がしない
では最後に実際に宇宙葬を展開している会社とそのサービスを紹介していきます。
3.宇宙葬を提供している会社一覧
ただいま日本で宇宙葬を実施している会社の中でメインどころは下記4つになります。
- 株式会社バルーン工房(バルーン葬)
- 株式会社ストーンアート工業(バルーン葬)
- 株式会社みんれび(ロケット葬)
- 株式会社銀河ステージ(ロケット葬)
ではそれぞれの会社とサービスを見ていきましょう。
バルーン宇宙葬:バルーン葬
栃木県にある株式会社バルーン工房という会社が提供しているサービスで、バルーン葬に特化した会社です。
価格は一式24万円になり、ペットやご夫婦でも一緒に利用が可能です。
下記のように2013年にはTV取材を受けておりますので、ぜひご参考にしてみてください。
ストーンアート工業:バルーン葬
1998年高知県で石材店として設立し、現在では暮石はもちろんのこと海洋散骨や宇宙葬を提供しています。
宇宙葬のバルーン葬を展開しており、基本費用は24万円になります。
なお、下記Youtube動画より実際の映像をご覧頂けます。
参照:ストーンアート工業
Sorae:ロケット葬
葬儀業界の大手企業、株式会社みんれびが提供するサービスになります。
※みんれびは葬儀一括見積りの「葬儀レビ」や定額サービス「シンプルなお葬式」を展開しています。
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ただみんれびが直接ロケットを打ち上げている訳ではございません。
元NASAの研究員が2013年にアメリカのサンフランシスコで立ち上げた会社「ELYSIUM SPACE」の日本の仲介を行なっているようです。
ですので実際に利用するサービスは「ELYSIUM SPACE」のものになります。
費用は28.5万円でになり、
遺骨が地球の周りを周ります。
またあなたの携帯で遺骨が今どこを回っているのかも確認できます。
サービスの概要をまとめたものがございましたのでご参考にしてみてください。
スペースメモリアル:ロケット葬
東京都港区にある銀河ステージという会社がスペースメモリアルというロケット葬を提供しております。
株式会社みんれびと同様、銀河ステージがロケット葬を実際に行うのではなく、アメリカのヒューストンにあるセレスティス社の日本の仲介を行なっております。
プランは45万円から250万円と種類も豊富です。
実際のロケット葬を下記動画でも見えますのでご覧ください。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
気になる宇宙葬に関してとことん超真面目に調べてみました。
熱が入って長くなってしまいました。。。
意外にも宇宙葬が身近な存在であったことに驚いたかたも多いと思います。
今後の葬儀はより多様化してくると言われ、このような宇宙葬も一般的であるような時代がそう遠くはないと思います。