身内だけで故人をおくる「家族葬」
そんな家族葬を行う際に、住職に関して以下のような疑問・不安を感じる人もいるでしょう。
疑問・不安
- 家族葬の場合、住職の役割はあるの?
- 家族葬だと住職にどれくらいの金額を支払うの?
- 家族葬をする際に住職を呼ばないことは可能?
そこで今回は、家族葬を行う際の、住職の役割・お布施の相場・呼ばない場合に関する情報をまとめました。
結論からいうと、家族葬だからといって基本住職の役割は変わらず、また呼ぶべきであると言えます。
ただしいくら家族葬だからといっても、一般的な葬儀と一緒でマナーを把握しないとトラブルに発展する可能性があるので注意してください。
この記事を最後まで読めば、家族葬の行う際の住職との関わり方がわかるようになるので是非参考にしてみてください。
1. 家族葬での住職(僧侶・坊さん・坊主)の役割
家族葬での住職の役割は、儀式を担当し、故人の旅立ちをサポートすることです。
住職とはお寺のトップである僧侶を示し、檀家の葬儀は基本的に住職が執り行います。
家族葬に限らず、葬儀の場で住職が行う儀式はたくさんあります。
順にみていきましょう。
a. 枕経
臨終時に枕元で唱えるお経を枕経(まくらぎょう)といいます。
通常は臨終時に間に合わないので、病院から安置場所へ移動してから住職を呼びます。
b. 納棺経
故人を布団から棺に移動させる儀式を納棺といい、納棺時に捧げるお経を納棺経といいます。
ただ、納棺に住職が現れるケースは少なく、多くの場合は葬儀担当者と遺族が納棺の儀式を済ませます。
c. 通夜経
お通夜のときにあげてもらうお経を、通夜経といいます。
通夜の儀式の間、住職はお経をあげ、参列者は焼香を行います。
d. 葬儀でのお経、出棺経、火葬場でのお経
葬儀の日、住職は3回出番があります。
まずは葬儀においてお経をあげ、参列者は焼香を行います。
次に、出棺のときには出棺経をあげ、住職も火葬場へついていきます。
最後に火葬場でのお経をあげます。
以上のように、葬儀の場で住職が担う役割はとても大きいものです。
では、謝礼はどのようにすればいいのか、気になりますよね。
僧侶への謝礼をお布施といいます。
お布施の金額相場などについて、次章で説明します。
2. 家族葬での住職(僧侶・坊さん・坊主)へのお布施
住職に対してお布施を納めるのは、家族葬でも一般葬でも同じです。
お布施を入れる袋や表書き、金額相場についてお伝えします。
a. お布施を入れる袋
葬儀時にお布施を入れる袋は、黒白の水引がかかった不祝儀袋です。
地域によっては黄白の水引の場合もあります。
また、白無地のほう書上は、葬儀に限らずいつでもお布施のために使えます。
b. お布施の表書き
お布施の表書きは、「御布施」です。
葬儀時には、お布施のほかにも白封筒に「御車代」と「御膳料」と書いたものを用意しましょう。
c. お布施の金額
お布施の金額の全国平均は、40万円程度といわれています。
実際には20万円から40万円ほどの範囲内で、喪主が金額を決定します。
お布施のほかに、交通費として5,000円程度の「御車代」、
住職が精進落としに参加しなかった場合は5,000円程度の「御膳料」を包みます。
住職へのお布施の金額に、「そんなに包むのか」と驚いた人もいるでしょう。
「住職を呼ばずに葬儀ができないものか」と考え始めたかもしれませんね。
次章では、家族葬に住職を呼ばなくても大丈夫かどうかについて解説します。
3. 家族葬に住職(僧侶・坊さん・坊主)を呼ばなくても大丈夫か?
家族葬に住職を呼ばないということは、檀家であるにもかかわらず、寺院の代表格である住職に葬儀をしてもらわないということです。
住職を呼ぶべき場合と、呼ばなくてもいい場合について解説します。
a. 家族葬に住職を呼ぶべき場合
家族葬に住職を呼ぶべきなのは、菩提寺にお墓があり、そのお墓を今後も利用したいと考えている場合です。
住職を葬儀に呼ばず、納骨だけをするというのは、礼を欠いていると思われてしまいます。
「私が戒名をつけて葬儀をやり直さなければ、お墓に遺骨は入れられない」と住職に言われてしまうケースもあるほどです。
b. 家族葬に住職を呼ばなくてもいい場合
家族葬に住職を呼ばなくてもいいのは、今後は菩提寺のお墓を使わず、離檀すると決まっているときです。
あるいは、菩提寺が遠く住職が葬儀に来られないときです。
菩提寺が遠方の場合は、住職と相談し、近くの同宗派寺院を紹介してもらうか
葬儀社から僧侶を紹介してもらうことになります。
4.まとめ
いかがでしたか。
この記事では家族葬での住職の役割、お布施の相場、呼ばない場合の例を紹介しました。
家族葬と言っても、檀家がある場合は住職を呼んだ方がよく、一般的な葬儀と大きな違いはありません。
ただ昨今では呼ばない例もちらほら見られるので、詳細を確認したいなら葬儀社と相談した方が良いと言えます。
この記事が、あなたの葬儀の準備に少しでも役に立ちますと幸いです。